【d!】螟｢縺ｮ荳ｭ【sha】 (ページ5)

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今回の夢は、どこか違った。

今回も向日葵畑の中を逃げ回っていた。
すると、永遠に続いていた向日葵畑を抜けた。
いつもと違う出来事に困惑を隠せない。

向日葵畑を抜けた先は、結婚式場の中だった。
気づけば自分もなぜかウエディングドレスを着ている。
なんとも美しい場所に身体が勝手に奥へと進んだ。
そして、1番奥のステージに辿り着いた。
よくテレビとかで見る、結婚する2人が誓いのキスをする場所だ。

すると後ろからコツ、コツ、と靴の足音が聞こえた。
まずい。そう思い咄嗟に振り返った。
私は、目の前の光景に理解が出来なかった。
今まで私を追いかけていた正体は…

あのシャオロンだったなんて。

「やっと追い付いた」

目の前の彼は私の知ってる彼では無かった。
彼も白いスーツを着ていた。
貼り付けたような気持ち悪い笑みを浮かべてこちらに近づく。

『シャオロン…？ねぇ、シャオロンってば！』

必死に呼びかけるも私の声を聞かずにどんどん距離を縮めてくる。
逃げても逃げても、なぜかステージの上に戻される。

気づけば、手足が動けなくなっていた。

そして、目の前にまで彼が来る。
彼は私の手首を物凄い力で無理やり掴み、薬指に指輪をはめた。

『ひっ､ぁっ､』

「好きやで、愛してる」

そうして、彼の顔が近づいてきて……

『は、はっ…！！』

私は汗だくの状態で目が覚めた。
震えが止まらない、身体が冷たい。
なんだったの……
なんとなく下を見れば…

『……っ､は？？』

手首には手形がくっきりと残っていて、薬指には指輪の跡が残っていた。
呼吸が止まった。
なんで、あれは夢じゃ…
寒気が止まらなかった。
まさか、あの夢で私をずっと追いかけていたのがシャオロンだったなんて。

もしかしたら正夢になってしまうかもしれないという恐怖から部屋に引き篭るようになってしまった。
シャオロンとの連絡もしないようにブロックした。

あれから数週間後、親が用事で夜まで家を留守にするある日、静かな空間で突然玄関がドンドンと荒く叩かれた。

なんだろうと玄関を開けた。私はそれを後々後悔することになる。

『…ひゅっ、』

「久しぶりやね、A」

目の前に映ったのは、夢の中と同じ顔をしたシャオロンだった。