【w.r.w.r.d.!】誤解されてるだけ。 (ページ8)

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八話ページ8

コネシマsaid

朝飯を食べて煙草を吸う。

今日は雨か。訓練は外やなくて室内の模擬戦にしようかと考える。計画的に、じっくりと。兵士達の生存確率を上げる為に強くなる為によく考える。

「雨強いなぁ」

もう梅雨やっけ？いや、まだ春やし。まだ早いんとちゃうか。

朝食べながら気がついた、アイツらの変化。特にショッピやな。後は…鬱は知っとそうな気がするし。チーノもよく仕事で一緒になっとるしなあ

歯車は回り続けんといかん。

例え１つの歯車が錆びても余り他は影響されたらいけない。歯車がバラバラに壊れても、や。

昔からグルッペンには鼻が良いと言われていた。だからコレは俺の直感的にはどうにかしたほうがええな、うん。

「ってそういう訳やからその病気完治させてから仕事してくれる？」

「は？」

丁度廊下曲がったらいた。Aが。ナイスタイミングやな！

「Aさんの病気の話や。その感染した病気の方は薬で治るやろ？でも”違う方”は薬では簡単に治癒せんのとちゃうんか？」

伸びた髪を、顔を隠すように目深く被ったフード。どこか純朴に見える身体付き。女の身体なんて親の顔より見てきてんねん！あ、親は俺が殺めたんやった。

「俺はな、Aさん。

元王族やねん。

人を従える側やったわ、俺。わかるか？特権階級のトップにある脈々と受け継がれてきた由緒正しき血統。従える者と従えられてきたモノの差」

唇を引き結んでAは耐えていた。そう、それこそが差なんや。

他の奴らなら、何か言い返すかするのだがAは違う。嵐が過ぎ去るように…エミさん派ってことやな。でもエミさん後々にやり返すタイプやし

「Aさんみたいのはあの国の中にもいたわ。遊ばれて、人権なんぞ存在しないモンが血を流してギリギリに生きる。“孕ませてはいけない”それだけは守ればなんでも許される。そういう奴らは後々身体壊して皆んな死んだわ

うん、そうやな。そうやわ。

ちゃんと治さんとそれはAさんの未来を奪うんやで」

ー
何を言われているのか分からなかった。

元王族だとか、それって簡単に言っていいことなの？とにかくコネシマさんには小細工は通用しない

「そうですね」

従える者と従えられてきた者

その下の階層から今にいる私をコネシマさんはきっとどうとも思わないけど、多分解った上で言っている。

「…三ヶ月の休暇を頂こうと思います」

コネシマさんは煙草を揺らしたまま笑った。