【w.r.w.r.d.!】誤解されてるだけ。 (ページ13)

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十三話ページ13

暗い部屋に光が蝋燭から淡く漏れ出る

時刻は深夜を回って後ろには女が眠っていた

厚い指先が優しく絵画をなぞった

美しい顔、荘厳な笑み。息を呑むほどの美の暴力

でも、それはただの絵であった

初めて見た時から運命だと思った。

でもコレは俺も彼女をも致命傷になりうる。

男、レパロウは後ろですやすやと眠るAをみやって蝋燭の火を、絵画に燃え移らせた。

ボワっ

煙臭くなってしまうため、分厚いカーテンを避けて少し窓を開ける。生温い夜風が俺の髪を揺らす

遠くから聞こえてくる足音と溶けて独特な匂いを撒き散らす絵

「これでいいんでしょう？」

やってくるのは、これはこれは

ーギッ

「お前何やってんねん⁉︎レパロウ‼︎‼︎」

「少しお静かに願います。ロボロさん」

ちゃんとカーペットは燃えないようにしてある。燃えるのは絵だけだ

「その絵、Aさんの大切な物やろ‼︎って起きろやAさん‼︎‼︎」

細い体はロボロさんによって目を覚ました

キラキラと飛び散る火にAさんは釘付けのようで動けていない

「え？」

ベットから降りようとした足は地面に降り立った瞬間崩れ落ちた。まだ歩くのが難しい脚で座り込んだまま呆然と絵を見やる

あぁなんて美しい人なんだろう

寝ている姿もこうやって絶望している姿も妖精みたいだ

Aさんを見下ろしたままではいけないと思い近づく

「ロボロさん、Aさんをベットに座らせるだけですよ〜床ではいけないでしょう？」

「おい‼︎そういう問題じゃないやろ‼︎お前殺されたいんか⁉︎」

「あぁ燃やした理由ですか」

Aさんの前に立つロボロさんはもうどうしようも無く燃える絵画をみる

理由、理由か。それならある

「嫌だって言ってました。偽物がずっと自分として扱われるのが。ソレは偽物でただの人形に過ぎないのにソレと俺は同じに扱われているって」

Aさんの目にいっぱい映っていた火はようやく俺を見た

わかりましたか？

「いや」

嫌？

「そうですね」

「…勘違いしているよレパロウ

お前が全部知った気になって、お前が全部兄をわかった気になって。お前が見ていたのはフィージャという面を被ったカーナのスパイだ」

低い声が響く

闇という闇を吸い込んだ目が爛々と鈍く光る

「ただの子供に兄が本音を話すわけないだろう。兄の考えは本人にしか知り得ない。誰も信用などしていない！」

あぁ怒っている