【w.r.w.r.d.!】誤解されてるだけ。 (ページ11)

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十一話ページ11

チーノsaid

黒のワンピースにカーディガンを纏い車椅子に座るAさん。久しぶりに見た！ちゃんと生きてたんやな！

「Aさん‼︎体調はもう大丈夫なんですか⁉︎」

「うん大丈夫です。チーノくんに紹介したいんだけど」

Aさんの車椅子を押す男。どっかの隊員、この人はシャオロン隊の人やったっけ？がどうしてここに

「飼っていいってグルッペンが言ってくれたの。トントンさんもええやろって。私のペット」

「え？」

「ペット。名前はレパロウ。これから会うこともあると思うから」

「…トントンが飼ってええならまぁ。でもその人シャオロン隊の人でしょう？引き抜いたんですか？」

目深に被った軍帽からしまい損ねた髪は銀、耳栓はなんと虎柄だ。

「引き抜いてない。レパロウ、カーナ国の観光客でフィージャに憧れてたらしくてこれまで同様軍隊にいてもらう訳にも行かないから私が預かってるんだ。ね？」

「はい！そうです‼︎！名前はレパロウ！カーナ国のスパイとしてシャオロン様の部隊に潜り込んでました！好きな女のタイプは全部言うこと聞いてくれる人！よろしくお願いします！」

…はぁ？正気なのか？三ヶ月ちょいぶりに合ったら頭のネジ落としてきたんかAさん⁉︎

ちろりと見えた舌にこのレパロウとかいうやつピアスつけてるし。マジ謎すぎる

「今幹部棟で散歩兼レパロウの挨拶周りしてるんだ。次の人探しに行くからまたねチーノくん」

「はは」

「失礼します」

カラカラと車椅子は遠くに行く

いや、なんでやねん⁉︎よくトントン許したったなぁ。しかも男かぁ、エミさん落ち込むで〜

「んぁ？レパロウ…そうやなぁ〜あんまよろしくないで。でもま、ゾムが来た時よりは危険度低いけどな」

大先生がスパーと煙を吐きながらそういった

俺は2人と別れたあと、大先生のいる情報室にいった。本当にグルッペンさんとかトントンがレパロウとかいうやつに承諾したのか確認したくて

大先生は一枚の写真を出した

吊り目の大きな目に弧を描く口元。上着も耳当ても虎柄の派手なデザインとこれまた派手な銀髪をちょこんと後ろで括られて跳ねている

「それシャオロン隊員と飲みに行ったときに撮った写真見たいや。今は顔隠してんやろ？それはまぁ他隊員から怪しまれない為やで」

「なんで耳に」

「あー”耳”が人より何倍もええから。聞いたけ、あいつ俺らが思っとるより遥かに耳いいからな」

大先生の吐き出した煙は俺たちの青光りする世界に溶けて消えた。