【w.r.w.r.d.!】誤解されてるだけ。 (ページ1)

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プロローグ-昔の話- ページ1

暗い、薄汚れた世界でグルッペンの目にAは小汚いガキだとしか思えなかった。

どこにでも、それこそ門を出て少し細い道を歩けばいるようなレベルと同じ。

「汚れてしまいますよ」

身綺麗にされた小汚いガキは世の中の黒い部分を見てきたような目で割れた皿を拾った。カサついた、アカギレの小さくて細い指

「あぁそうだな」

「…拾ってくださり、ありがとうございます」

「俺が割ったのだから俺が拾うのが正しいだろう？」

親に決められたルートを歩く俺と、今日を生きるので精一杯な幼いガキ

これが差だ。

いつかこの差を無くすことが出来ればいいのにな

「正しいと言うのならば拾うことで私の仕事が減るか、他の者に見られたりしたら私の仕事がなくなるか。貴方の正義で私は簡単に命を落とす可能性があるのは御理解頂けますか」

ふむ、これは唯のガキでは無くクソガキだな。

「そうか。それでお前の名前はなんだ？」

ナニがそうか、だよ。とでも言いそうな目で小さな口を開いた

「Aです」

「夢はあるか？」

「…生きること」

「そうじゃない！成し遂げたいことだ‼︎」

俺よりもはるかに小さい体に溢れ落ちそうなほど大きな目が鈍く光る

「ある国を、殺したい」

良い目をしている。

全てを壊して、尚も歩き続けられる意志の強い目を。

「俺は、誰もが人生の主役になれる国を作りたいんだ。…俺の仲間になってくれないか？」

トントンに紹介したい！エーミールはもう直ぐで起きてくるだろうし‼︎子供かと思われるかもしれないがコレは良い者を見つけた！

「嫌です」

「なんでだ！こんな僻地の別荘にいるよりも待遇は良くするゾ‼︎」

わーと叫ぶ俺にAは嫌そうに顔を歪めた

「…貴方が国を作った後なら考えますよ。生きていたら」

「わかった‼︎それまでお前は生きているんだゾ‼︎俺の今いる仲間は面白いからな」

側からみたら青年の分類に入る男とまだ少女とも幼女とも呼べるぐらいの女の子が将来を夢見ているだけだろう

違う

私は。

『久しぶりだな、俺と来ないか？』

嫌そうに顔を歪めるAが崩壊する城の中に座り込んでいた。

ちゃんと生きていたんだな

『俺と来い、A』

A

セミロングの美人系

総統の直属の部下。幹部ではない