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性格(続き)
人を惹きつけ魅せてやまないたちをしているのに、本人は至って人付き合いが好きではない。前述の通り自分に甘い性格を持つ萼は人に意識して優しくするつもりはなく、大抵の人間全員に同じように接するだけである。彼は心根が善であり良であり無垢であるので優しい、親切だと感じられるだけで、別に実際何もしていない。したくてもできないから、自然と無自覚に甘言ばかりを吐くようになったのである。彼はただ花と季節の話をしているだけのつもりなのだ。
変に思いを寄せられることも、逆に萼が思いを寄せることも、(今までしたことがないからこそ)面倒だと思いがち。恋や愛を食わず嫌いしている。特殊ではあるが27年間も生きてきたのでもちろん恋愛についての基礎知識もそれなりにあるが、それでも恋愛は食わず嫌いの対象である。
本人に自覚はないが、そうして大きな想いのやり取りをしたことがないからこそ、恋をすると浮ついて落ち着きがなくなってしまうタイプである。いつも意中の相手のことを考え、赤くなった頬を押えてうろついてはうんうんと唸るようになってしまう。その姿は普段の整然とした彼とはかけ離れた、感情にまみれたまた可愛らしい姿だろう。
想い人へのアピールの上手な仕方を詳しく理解しておらず、とにかく献身的になる。彼がひ弱な身体を酷使してでも仕えようとするさまは愛らしさがあるだろうが、あまりにも心配になる。番となってくださった人外様には、どうか強く支えてあげて頂ければと思います。
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作者名:佐藤める | 作成日時:2023年4月15日 0時